2019年09月23日

【第12回】鍼灸と乳がん治療

頭髪対策B鍼灸ケア
脱毛期もA鍼灸院に通っていましたが「こういう時こそケアすべき」と、髪がなくなった頭を鍼やお灸でじっくり治療していただきました。 「脱毛してしまったのだし、投薬が終わるまでは生えないのだから仕方ない」という発想ではなく、私のつるんとした頭に向き合ってくださったのは感謝しかないです。

私がもし、A先生に相談していなかったらこのような治療もせず、ただ化学療法が終わるのをぼんやり待つ知恵しかなかったはずです。

病気になる以前も、そして今現在も頭には鍼やお灸をしていただいていますが(頭髪のためだけではありませんが)それも含めて、それはやはり効果はあったと実感します。

頭髪における鍼灸の効果は以下(※私の場合)
@ 頭皮全体ムラなく髪が生えそろった。薄毛も回避。
A 早い段階でくせ毛がなくなった
B 質の良い髪が生えた
C 白髪ナシ

化学療法を終えた患者の中には、髪が生えてこない人が2割程度いるそうです。 同じ病気をした知り合いの中にも、きれいに生えず悩んでいる人がいます。

また、化学療法の副作用で頭皮の毛穴が歪むようで、それによって生えてくる髪はくせ毛になります。私もうねりのある天然パーマで生えてきましたが、早い段階でボディパーマ風のゆるいくせ毛になり(ある意味とても好評だった!)あっという間に、ストレートに戻りました。

生えてきた髪も、元の髪より良い髪質に。白髪にもならず(妙齢女性の多くは白髪が増えるらしい)、ツヤのある黒髪に戻りました。 見た目も健やかな状態に戻る喜び。それを叶えてくれたのは、鍼灸の力だと思います。

見た目の問題は、髪だけでなく眉、まつげ、肌と色々ありますが、またそれについても触れていこうと思います。

つづく


posted by aoyama at 00:00| がんと鍼灸

2019年09月09日

【第11回】鍼灸と乳がん治療

頭髪対策Aファッションウィッグ

ウィッグは大きく分けて、ファッションウィッグ(人工毛)と、医療用ウィッグがあります。もし経済的に余裕があり、学校や仕事など、毎日ストレスを軽減して過ごしたいと思うなら、断然医療用ウィッグをオススメします。

私はファッションウィッグを休日用、医療用ウイッグを生活のために使いわけました。
ウィッグをウィッグと思わせないためのポイントはつむじと、襟足(生え際)。

襟足が浮いて見えるとウィッグ感が強くなるのですが、医療用ウィッグは日々の生活に支障がないように設計されているため、購入するかしないかはさておき、一度試着してみると良いと思います。
サイズも豊富に展開されているので自分に合うものが見つかるはずです。

つむじがセンター分けでナチュラル、襟足が浮かない設計、人毛のためトリートメントなどのケアやカラーもOK、コテで髪を巻くこともできるので変化もつけやすく、色々な意味でごまかしやすく、精神的負担が軽減できます。

1番の難点は、医療用ウィッグが高価ということ。
色々調べましたが、10万円〜30万円。年々、医療用ウィッグは進化していますし、安くなってきているのも事実なので(10万円以下もあり)、調べられるだけ調べて自分に合うものを見つけるといいと思います。

最近はウィッグも病院から紹介してくれるサービスもあるようですが、印象としては自分で調べて見つける方が割安の印象です。
私は医療用ウィッグのおかげで、何も知らない人にはだいぶ病気を隠し通せました。

<医療用ウィッグのつむじ>
tsumuji-02.jpg

ウィッグと共に購入したいのは医療用帽子。
Amazonなどで比較して購入しましたが、コットンでできた軽いものがラク。
私の場合、ひとり暮らしで誰も見ていないという理由で家の中では何も被らず過ごすこともありましたが、寝るときに被りました。(朝起きると、たいていどこかへ行っている)バンダナも良いと聞いて頭に巻いてみましたが、ちょっと面倒でほとんど使いませんでした。

頭髪ケアについて、つづく


青山鍼灸院HP


女性の鍼灸〜女性鍼灸師と患者様でつくる鍼灸情報サイト〜
新しく立ち上げたサイトです。どうぞご覧ください。








posted by aoyama at 00:00| がんと鍼灸

2019年08月30日

【第10回】鍼灸と乳がん治療


頭髪対策@ファッションウィッグ(カテゴリー:髪のこと)

最近、髪のことを考えていました。
身近な知人が今、治療で脱毛が伴うことで悩んでいるため、自分の過去を思い出します。脱毛については考え方に個人差があると思いますが、多くの女性にとっては大きな問題だと思います。

今、ドラマの主人公の髪がくるくるパーマで(天然パーマという設定)とても可愛いのでやってみたいなぁと想像してみましたが、そんな願望も「髪が健康な状態で生えてくる」という前提があってこその発想です。髪があること、髪型を変えて楽しめるのは幸せなことです。

髪がなくなる苦痛は、私の場合、見た目の変化より第一に「あの人、きっと悪い病気なんだ」と他人に思われることでした。「かわいそうに」と噂された日には、どこにもぶつけられない感情を抱えることになります。第二に苦痛なのはウィッグ。ウィッグだとバレたらやはり病気を疑われます。

ウィッグを楽しみ、自分の病気を公表できる精神的な強さがあればいいですが、多くの人はできる限り隠し通したいと思うはず。何事もなかったように、しれっと過ごしたい私は後者でした。

私は髪が抜けずに済む新薬を開発できる知識も技術もなく非力ですが、今もどこかで治療と向き合いながら、後ろ向きになっている方がいらっしゃると思うと、私がやってみたこと、試してみたことをここに記しておきたいと改めて思います。

化学療法が始まると決まったら、現実的に用意しなければいけないのは、
◎ウィッグ
◎医療用帽子
です。

ウィッグも色々あります。 まず、ファッションウィッグと呼ばれる、おしゃれ目的でかぶるもの。 コスプレが趣味だとか、おしゃれ目的で被るウィッグの類です。 これは駅ビルやインターネットなどでも手軽に購入できます。 数千円〜1万円くらいで購入可能。

難点はほとんどのものが人工毛。人工的な毛なので、ビニールに似たテカリ感が否めず「ウィッグだな」とバレやすいこと。 私がずっと不自然に思っていたのは、ファッションウイッグのつむじ。 漢字の「米」に似たつむじで、頭頂部から放射線状に髪が生えているように作られたものです。

【ファッションウィッグのよくあるつむじ】
tsumuji.jpg

生活の中で、人のつむじを意識して観察している人がどれだけいるかわかりませんが、女性の場合ショートヘアなどでない限り、頭頂部は髪がセンターで分かれています。ファッションウィッグはこのつむじが「米」でできているものがほとんどです。 そしてこのつむじだと、頭頂部にボリュームがなく、ぺったりした印象。

私はこの手のものをひとつ購入しました。 私の抗がん剤治療は、冬だったため、このファッションウィッグの上からニット帽をかぶって頭頂部を隠しました。 夏なら、麦わら帽子などで良いと思います。

最近、帽子は年中流行っているので、被り物との組み合わせはオススメです。休日のスタイルはこれでほぼ事足ります。 (もちろん、ファッションウイッグで充分な方は、色々なウィッグを買ってスタイルチェンジを楽しむのも良いと思います。)

そして、人工毛のテカリを軽減させる画期的な方法にたどり着きました。 パウダーinの制汗スプレーです。 ウイッグ全体に、制汗スプレーをふりかけると、細かなパウダーが人工毛の表面を覆い、マットな質感に仕上がります。不自然なツヤとテカリが抑えられます。 私の髪への執着はまだまだ続きます。

つづく


※こちらでも見れます。
PC
https://womens-acupuncture.net/pc/gan/gan-column-11.html

SP
https://womens-acupuncture.net/sp/gan/gan-column-11.html


青山鍼灸院HP




posted by aoyama at 12:11| がんと鍼灸

2019年08月11日

【第9回】鍼灸と乳がん治療


辛かった脱毛(カテゴリー:髪のこと)

乳がん治療において、特に辛かったこと、
それは髪が抜けることでした。本当にイヤでした。
私が使用した「パクリタキセル」というタキサン系の薬は脱毛を阻止できない薬で、どうしても避けて通れないものでした。

「化学療法=脱毛」
という図式しか思い描かなかった私は、病気のことより髪が抜けることの方が一大事でした。「髪が抜けるなら抗がん剤はしたくない。ウィッグも絶対にイヤだ」と主治医や家族に言って困らせました。

それでもいつか「なぜあの時、抗がん剤をしなかったんだろう」と思う時が来ては遅いと思い、覚悟して化学療法を開始しました。

「投薬から約16日〜20日で脱毛が始まります」という医師の説明は本当に正確で、きっちり16日目からパラパラと髪が抜け始めた時には「本当に自分はがん患者なのだ」と実感し、涙が止まりませんでした。

髪が抜け始めた頃、田舎に住む母が私を訪ねて来ました。
家族の前では気丈に涙を見せないつもりでいましたが、髪が抜け始めた頃、さすがに精神的に落ち込み、母の前で泣きました。

シャワーを浴びるとどっと抜けるのでお風呂に入れない。
お風呂上がりのドライヤーは恐怖そのもので、一回で髪全てが抜けてしまうのではないかと思うほど。抜け始めてから髪がなくなるまで、数日ほどであっという間でした。
(※個人差があります。私の友人は同じ病気をして投薬が終わるまで半分くらい残ったそう)

私の髪に対する執着はかなりのもので、それについては随時触れていきますが、今の私が言えるアドバイスとしては、もし髪が抜けることを理由に化学療法に戸惑いがある方がいらっしゃるとすれば、「髪は工夫すればウィッグとわからないほど自然なスタイルにできるし、バレない」ということと「髪は必ず生えてくる」ということを力強く伝えたいです。
そしてその頭皮にもまた、鍼灸はパワーを発揮する!!のです。

つづく

posted by aoyama at 00:00| がんと鍼灸

2019年08月10日

【第8回】鍼灸と乳がん治療


人の不幸は蜜の味:悪夢の夫婦篇B(カテゴリー:人間関係)

職場の事務職のおばさまとそのパートナーに、餌食にされていた私。
水に関しては、キッチンとお風呂と洗面所の水回りすべてに特別な「浄水器」を取り付けろ!とのこと。総額50万円。

健康食品は椎茸のナントカエキス1ヶ月5万円と、ローヤルゼリー1ヶ月3万円。
さすがに困ったなと思いながら話を聞くだけ聞かされて帰りましたが、ひどい疲労感でした。「今だけこのお金を出して、エキスやらを飲めば治るのかな」と心が動いたのは確かです。死ぬくらいならお金を出してもいいかもしれない、と一瞬思いました。
精神的にはボロボロに弱っているのです。仕方なかったと思います。

翌日会社に行き、仲の良い同僚にそのことを話しました。
すると皆が憤慨し「あのおばさん、頭おかしいんじゃない!?もう2度とRさんを呼び出さないでほしいと言うから!!」と言ってくれたのですが、職場で顔をあわせるだけにバツが悪いので、話を大きくしないようにと頼み、沈黙と我慢の日々が続きました。

おばさまのパートナーからは毎日のようにLINEが来ました。
「健康食品は早く買った方がいい。そうじゃないとこうしている今もあんたのがんは進行しているんだぞ」と。

「健康食品を売ってくれるナントカさんを紹介します。ナントカさんにはあなたの電話番号を教えました。電話がかかって来ると思うのでよろしくお願いします」と。

その後、そのナントカさんから何度も留守電が入っていました。
「いつ買いますか?もう発送の準備ができています。お支払いは振込でお願いします、いつ振り込めますか?」などなど。最後はお金の話ばかりです。

浄水器も、健康食品も、私が買えばそのおばさまとパートナーは仲介料をもらえたのでしょう。
「買いません。ごめんなさい」と、パートナーにお断りの連絡をしたところ、カエルのキャラクターが怒った顔で「バツ」と両手でジェスチャーしたスタンプがひとつ来ました。そのスタンプ、今でも鮮明に思い出します。

まもなくして、運よく(?)おばさまの派遣の契約が終了。
それから一切連絡はなくなり、縁が切れました。
病気になったら、優しい顔をして近づいてくる人がいます。結構意外な人物です。
お金と命を天秤にかけて売りつけられます。
病気になったら、そんな人物に気をつけてください。



posted by aoyama at 00:00| がんと鍼灸

2019年08月09日

【第7回】鍼灸と乳がん治療


人の不幸は蜜の味:悪夢の夫婦篇A(カテゴリー:人間関係)

当時、働いていた職場にいた事務職のおばさまについて。
私の顔色の悪さに気づかれ、おばさまに呼ばれて出向いたN駅。
高級な外車で連れていかれた先は、「気功師の家」でした。
おばさまのパートナーは「俺が尊敬している気功師だよ。この人に任せたら絶対にがんを消すから」と。

そこでいわゆる「人の家」の小部屋に入り、おばさまと一緒に気功を受けることに。
作務衣を着たおじいちゃんのような先生に、素手で患部に手を当てられ(胸だったので苦痛でしたが、それも治療のため我慢)、1時間近く全身ひと通り手を当てられて終了。
何をされたのかはわかりませんでしたが、その後の体のだるさは異常なほどぐったりでした。

その帰り、「食事をしよう」と、おばさまとパートナーとご飯へ。
「あんたね。がんなんかお金があれば治るんだよ。あんたがまず考えなきゃいけないのは水。どうせペットボトルの水でも飲んでるんだろ。あんなの毒だぞ。
でも水道の水もダメ。俺が言ってるのは、風呂の水も歯磨きする水も飲む水も全部変えろ、ってこと。わかる?

今から50万円用意しな。なけりゃ家族がいるだろ?お金借りなよ。50万あれば病気なんか治るんだよ。手術なんかしなくていいし、抗がん剤もしなくていいんだよ。

あんた、胸がなくなったら女として終わりだぜ?わかるだろ?手術するなよ。抗がん剤も猛毒だってこと、わかってないんだろ?頭の悪い奴は医者の通りに治療して抗がん剤で早死にするんだよ」と。

畳み掛けられた言葉の数々。今思い出しても吐き気のする内容です。
そして
「水をかえたら椎茸のエキスを飲むんだよ。あとはローヤルゼリーね」と言って取り出したチラシ。椎茸のなんとかエキス1箱1ヶ月5万円。ローヤルゼリー3万円。「1ヶ月8万円かかるけど、胸がなくなるよりいいだろ?」と。

そんな話をしている間、横にいたおばさま。ずっとニコニコと、「そうよ、それがいいわ。絶対に治るから。さすが、私のパートナーだわっ!」と高らかに言いました。


つづく

posted by aoyama at 00:00| がんと鍼灸

2019年08月08日

【第6回】鍼灸と乳がん治療

人の不幸は蜜の味:悪夢の夫婦篇@(カテゴリー:人間関係)

当時、働いていた職場には事務職の女性がいました。
派遣で勤務していたその女性はいつも午後に出社し、自分の仕事を淡々とこなして5時には退社するというリズムで、積極的に誰かと会話したり、ランチに誘い合って出かけるようなキャラではなく、寡黙でどちらかと地味で、それでも優しくて品の良いおばさまでした。

私は仕事上、毎日そのおばさまに依頼をしたりすることがあったのですが、ちょうど病気を告知されて不安定な頃でした。仕事のことで話しかけたところ
「なんかここ数日とても顔色が悪いんだけど。私、ピンと来たわ。病気でしょ?」と。
年の功なのか何なのか。
いつもは寡黙なのに、饒舌に私に話しかけて来ました。

少しでも油断すれば涙が出るような心境にいた私は、そのおばさまの一言でしゃがみこんでその場で泣き、事情を話してしまいました。
「Rさん、LINE教えてちょうだい。私、味方になるわ」そう言って、帰ったおばさま。
その夜に来た内容が以下。

「Rさん、今日は失礼かと思いながら、いろいろなことを聞いてしまい、失礼しました。
私はRさんのことを歳の離れた妹のように思っています。だからこそ治るまで見守らせていただけませんか?今週末、お時間いただけますでしょうか。10時にN駅に来てください」とのこと。
藁にでもすがる思いでその週末N駅に行ったのです。

すると、N駅で現れたおばさまは高級そうな外車の助手席からサングラスをかけて登場しました。いつもの職場で見るおばさまとのギャップに少々動揺していると「意気揚々とさぁ、乗ってちょうだい」と。

その車には「私のパートナーなの」と紹介された自分の父親と同じくらいの歳の男性が乗っていました。「こんにちは」と言うと私の顔を見て一言「ほんとだ。あんた、がんになりそうな顔してるわ!」と言われたその違和感。

健康な精神状態であれば「もうすでに何かおかしい」と思うでしょう。
今の私なら、いつもと様子の違うおばさまと、そのパートナーと名乗るおじさんの態度を見てすぐに立ち去る勇気があります。
でもその時はなかったのです。

つづく。

青山鍼灸院HP




posted by aoyama at 20:48| がんと鍼灸

2019年08月07日

【第5回】鍼灸と乳がん治療


【人の不幸は蜜の味】(カテゴリー:人間関係)

やっとの思いで家族への告知が済んだのですが、もうひとつの問題は職場の同僚でした。
これから治療をするとなると、自分がどんな状況になるかわからないので、職場の人にも迷惑をかけるはずだと思い、きちんと伝える必要がありました。
しかし、これが後に何かと自分の中でのモヤモヤする原因に。

まさか気軽に行ったクリニックで絶望的なことを告知されるとは思ってもおらず、検査に行く日「今日、胸の検査をしてくるんだぁ」くらいのことを同僚の何人かに言っていました。当然、翌日「どうだった?」と声をかけられたわけです。
その時にはもう乳がんの疑いがあり、頭の中には絶望しかなく、何かを考える余裕もなく「乳がんらしい」と正直に何人かに報告しました。

その時の反応は今でもありありと思い出せます。
タイプはいくつか。
@「そっか。何かできることがあれば言って」と淡々と受け止めてくれた人
A「嘘でしょ?」と言って私以上に泣く人
B「え。まじで?」と言い、表情はあたかも同情めいた暗い顔を取り繕いながらも目の奥がキラリと光った人
などなど。

AとBの人物たちはのちに信じられない態度をとります。
「女」という生き物は、常に他人と自分を比べて生きているのだと思うことが多々ありました。人の不幸を見て「自分はマシ」と自分の幸せを実感できるからでしょう。
その話はまた、今後、このブログの強烈な登場人物として出演しますが、それはさておき私が教わった教訓をひとつ。

「水と宗教と健康食品に気をつけろ」

人の不幸を楽しみながら、その弱みにつけこんでくる人、という種類の人間がいるのです。私の場合は職場にいたのです。

次回に続く。

posted by aoyama at 00:00| がんと鍼灸

2019年08月06日

【第4回】鍼灸と乳がん治療


【家族への報告】(カテゴリー:人間関係)

さて。正式に「あなたは乳がんです」と告げられたわけですが、体調の心配と同時に頭に浮かんだ心配事は「家族にどう伝えるべきか?」でした。

私はひとり暮らしで地方に家族がいるのですが、心配性な両親と姉に話したら自分以上に衝撃を受けるのではないかと思うと、告知から一週間経っても何も連絡できないままでした。

しかしこんな時、何かを感じ取るものがあるのが血縁。
滅多に連絡をしてこない姉から珍しく連絡が。

「胸の検査をしたら引っかかって。再検査したんだけど不安な数日を過ごしたよ。結果的に何もなかったんだけど、こんなこともあるから、あなたも検査しておきなさいよ」とのこと。

「いやもう、こちら既にアウトですから」と思いつつ来たメールに返信し「私は悪いものが見つかりました。まだお母さんとお父さんには言っていません」と告げました。

姉は看護師ですが、毎日他人の病気や生死に近い現場にいても身内のことになると、それとこれとは別らしく、姉なりに動揺したようです。

その後、母に電話したところ冷静な対応。
さすが母は私の性格を見抜いており、自分たちが動揺することで私の負担になるとでも思ったのかあっさりと「治すしかないね」と。

電話口で涙声になっているのは気づいていましたが、家族の反応や言葉は良い意味であっさりした印象で、ありがたいことでした。

後から聞いたところ、私の知らないところで姉と両親が話をしていたようです。
看護師の姉が「今は本人が病気という事実を受け入れることだけで精一杯なんだから、本人の意思を尊重して余計なことは言わないでおこう」と。
私への対応はそれが正解でした。

しかし、病気の話を家族にするのは本当に苦痛なものです。
隠せるなら隠し通したいと思いましたが、治療の内容的にも性格的にもそれは無理でした。(手術ひとつするにしても家族の同意が必要)

両親にとって私は37歳というとっくに大人の年齢であっても子供であることに変わりなく、娘が知らないうちに病気になり、苦しんでいたと後で知ったら、その方がさらに辛いだろうと思いました。逆に自分が家族の大変な時に何も知らされなかったとしたら何とも言えない気分になるだろうなと。

ある知人は、家族に何も言わないまま、抗がん剤、手術、放射線治療を済ませたそうです。その嘘が「二年間留学するからしばらく会えない」だったそうです。

その人にはその人の事情(家族関係)があると思うので人それぞれですが、そこまでしてでも隠したくもなるのが、がんなのかもしれません。

もし今、家族への告知に悩んでいる方がいるとしたら、同居していてもしていなくても、この先家族とのコミュニケーションを取る時に自分が辛くないか、精神的に負担にならないかを考えてみてください。

私のように家族が両親と姉だけというのは簡単な方で、旦那さんや小さな子供がいる場合は私以上に複雑で悩まれるのではないかと思います。でもそれだけ味方になってくれる人がそばにいて心強くなれるかもしれません。
(※全く味方にならなかった、という話もよく聞くのも事実)

わかっているのは今の状況と、これからの治療プログラム。
私は、この先の不安や泣き言を吐露すると家族も不安になると思ったのでそれについては言いませんでした。感情的にならずにただ事実だけ伝えることに徹したので、それ以上家族も余計な不安を抱かずに済んだかなと思います。
(表情に出さないだけで、それでも随分心配していたとは思いますが)

家族への告知をクリアしたら、次は職場や友人への告白です。
これが後々何かと自分の中で波紋を呼ぶのです。

次回に続く。

posted by aoyama at 00:00| がんと鍼灸

2019年08月05日

【第3回】鍼灸と乳がん治療


【病院と医師選び】(カテゴリー:病院のこと)

前回、女医によるデリカシーのない告知について書きましたが、その頃の精神状態は最悪で、ひとりの時は涙が止まらず、不安と喪失感、恐怖と絶望が混ざったような気分で過ごしました。

その後、同じ病気を患った人に何人か会いましたが、とても冷静な方や楽観的な方もいるので、がんの告知で感じることは本当に様々なようです。
これこそまさに「リアル肝試し」です。
今このように客観的にブログを書けているのは時を経たからです。
当時の私に余裕なんてものはありませんでした。

私はそんな状況でも心強い親友の助言とそこから得たありがたいご縁のおかげで、自分と相性の良い病院と医師に巡りあえました。本来なら自分で病院と医師を探さなければいけなかったところ、私はラッキーでした。

ここで病院と医師選びの見極めについて。私が感じたことと周りの話を聞いたことからまとめました。参考になればと思います。
@ 医師と看護師さんの説明がしっかりしているか(納得できる説明か)
A 患者の話をきちんと聞いてくれるか
B QOL(生活の質)を考えた治療提案をしてくれるか
C 自分の生活圏から通院しやすいか

長く付き合うことになる病院と主治医は自分が納得できるかどうかがとても大事です。
治療が進む中でもあまりにも相性が悪く悩んだ末に転院したというケースを聞きましたが、後悔ナシ!とのことでした。

主治医に相談しても聞いてくれない、怒られる、薬を処方されるだけ、体の苦痛を訴えてもその対策を提案してもらえない、といったようであれば考え直して良いと思います。
ただでさえ病気と向き合うストレスがあるわけですから、それ以上のストレスは無くした方がいいと思います。

それと最後に、病院へ行く時のポイント。
弱っている時は大事な話を聞き逃します。悪い言葉(もしくは良い言葉)に引っかかってそれ以外のことを覚えていない、ということが多々あります。
なので、ボイスレコーダーを持参すると良いです。(スマホの中にもその機能があると思います)。もちろん、病院に付き添ってくれるご家族がいれば、一緒に話を聞いてもらうこともできるとは思いますが。
私の場合はひとりだったので、友人がボイスレコーダーを持たせてくれました。
その機転のきいた提案に感謝です。

(つづく)
posted by aoyama at 00:00| がんと鍼灸